埋葬・納骨
納骨供養
納骨供養とは、故人の遺骨を墓所に納める法事の事です。
火葬については、死亡診断が出て、基本的に24時間は行ってはならないとの法律上の決まりはありますが、この埋葬や納骨についてはいつ行うか法律上の決まりはありません。
早い場合は火葬当日に、また四十九日忌や百ヶ日忌、一周忌の法事当日に一緒に行うことが多いようです。しかし、地域やその家の事情などによって様々です。
埋葬・納骨するには、埋葬許可証が必要です。火葬場から、還骨と共に返却された火葬許可証が埋葬許可証としての扱いになります。埋葬許可証は、納骨する寺院や霊園などの墓地管理者に提出します。
本山や納骨堂など、二ヶ所以上に分骨する場合は分骨証明書が必要となります。二ヶ所以上の分骨を望む場合、事前に火葬場に申し出て、発行してもらう手続きが必要です。
また時刻は、午前中に法事を勤めることが多いのですが、希望の時間があれば、菩提寺と相談して決めましょう。
納骨方法
現在は、様々な納骨方法があります。
例として、寺院墓地、霊園墓苑、納骨堂、合祀墓(合葬墓)、樹木葬などがあります。また海洋散骨や、人とペットが一緒に入れるお墓など、通常の納骨とは異なる特殊なものもあります。
寺院墓地、霊園墓苑
すでにあるお墓に納骨する場合、管理者に埋葬許可書を渡し納骨をします。菩提寺に連絡し納骨供養をしてもらいます。
新しくお墓を建てる場合、先に墓地区画を取得してから石材店へ連絡し、建立の依頼をしなければなりません。墓地区画の取得といっても、正確には使用権取得ですから、売却や転売することはできません。したがって土地の売買ではないので、登記の変更は不要です。
お墓の祭祀者(代表者)に変更がある場合は、その都度管理者へ申請が必要です。
墓地の移転
転出などの理由でお墓を移転する場合や、高台から平地の墓地にお墓を移転するなどの場合、改葬許可証が必要です。
まず、菩提寺と相談し、移転先の墓地を決めてから、役所へ改葬許可証交付申請書及び受入証明書などを提出し、改葬許可証を発行してもらい、移転先の墓地管理者に提出しましょう。その後、石材店などに連絡をし、移転前と完成後には菩提寺に閉眼供養と開眼供養を行ってもらいます。
時代が進むにつれ、様々な納骨方法が登場して参りますが、先祖に安らかにお眠りいただく事を一番に考えると、永代にわたり遺骨が安置され、相談を受けてもらえる寺院の墓地や納骨堂がよいのではないでしょうか。
ただし、寺院に墓地が無く、公営や民営の墓地墓苑また地域の墓地しかない場合もあります。
先祖代々の墓はあるが、親族や後継者がおらず自身の代で墓守が途絶えてしまうという事例があり、近年では墓じまいをする方々も多くなってきているようです。そのためには今までお墓に納めてあった先祖の遺骨を新たに納める場所を探さなければなりません。また、それまでのお墓もきちんとした方法で撤去しなければなりませんので、安易に行わず家族親族でよく話し合うことが大切です。
納骨堂や合祀墓・合葬墓などに納める場合、一度納骨してしまうと、後に遺骨を引きとりたいと思っても他人の遺骨との合葬の場合は返却できませんので、注意して納骨するのがよいでしょう。
寺院、霊園などによって、取り扱うお墓の形態が違うため、墓じまいや納骨堂への納骨、合葬、樹木葬などを行いたい場合は、菩提寺または霊園墓苑の管理者などに事前に伺っておくのがよいでしょう。
その他、様々な事情があり今すぐに解決できないこともありますので、日ごろから菩提寺の住職とよく相談をしておくことが大切です。
“仏事あれこれ”については、総本山妙満寺第302世貫首 古瀬堅徳(日宇)猊下(1917~2003)著書、『法事と戒名のすべて』(有)技興社発行を参考に掲載しています。